「コト、モノにかかわる全ての人々の顧客体験を最大化する」というミッションを掲げ、コマースDXを実現する統合コマースプラットフォーム「ecforce」を提供する株式会社SUPER STUDIO。他業種と比べて人件費率が高いSaaS事業を柱としてビジネス展開を進める同社では、人員計画の効率化と高度化、そして後任へスムーズに業務を引き継ぐため、人員計画業務の仕組み化を進めることになりました。
村瀬様は直近の3年ほど人員計画の業務に携わり、何度も仕組み化を試みてきたものの、スプレッドシートによる管理に限界を感じ、経営管理との連携の強化を目的に「Loglass 人員計画」を導入いただきました。
今回は「Loglass 人員計画」の導入を担当された村瀬様にお話を伺い、人員計画の重要性や精度を高めることの意義、そして「Loglass 人員計画」の導入から得られた成果、今後の展望までをお聞きしました(2025年3月取材)。
CTO室 コーポーレートエンジニアリングユニット / AI推進ユニット ユニットマネージャー 村瀬 寛晃 様
村瀬様:弊社の事業は「ecforce」によるSaaS事業が収益の大半を占めています。もともとはECのカートシステムから始まり、現在はコマースDXを実現するための統合コマースプラットフォームとして、カートシステムのみならずデータ利活用のためのソリューションやOMO施策を実現するためのソリューションの提供など、さまざまなプロダクトを提供していることが特徴です。
収益構造については、一般的なSaaS事業と同じくエンジニアやセールスといった人件費がコストの大部分であることから、経営管理の視点から人員計画は特に重要な要素であると言えます。人員計画を最適化し、精度を高めて高度化していくことは、さらなるサービス・プロダクトの展開や事業成長において欠かすことができません。
そのため、直近の3年間は経営企画の責任者と二人三脚で人員計画に取り組み、コストと時間をかけて適切な予実管理の実現に向けて取り組んできました。当時の私は人事担当部門に所属しており、具体的な業務として、事業部側と調整しながら全体の人月やリソース配分を調整していました。また、積み上がったコストがPL上でどのようなバランスになっているのかを経営企画と判断し、コスト構造が適切になるよう管理していくという「事業部と経営を橋渡しする役割」を担っていました。
村瀬様:月ごとに雇用形態、等級、部署といった要素を加味して人員計画を策定しています。弊社の場合、エンジニアで業務委託の割合が一定数あるため、開発の現場から最新の情報を常にキャッチアップし、スプレッドシート上でその割合を管理する仕組みを整えるのに苦戦していました。
苦戦していた背景のひとつとして、グレードの細かな管理があります。当初、社員は6つのグレードに分かれている一方、業務委託の方はひとつの等級しか設定されていませんでした。しかし現在では、ご依頼している業務内容に対する単価に対応した4つのグレードが設けられており、社員・業務委託あわせて10パターンに振り分けられている状態です。この細かいグレードの管理を部署ごとに行っているため、人員計画の複雑さにつながっていました。
村瀬様:まずポイントとなるのは、事業部の事情や採用活動の成否といった情報をリアルタイムで把握し、現場の実態に即した人月の全体像を描くことです。そのためには現場の変化を追いかけ、情報を適切にキャッチアップする必要があります。これを行うことで、どの部署に、どのくらいの人月が必要であるかを適切に判断し、より精度が高い期初計画を策定することができます。
しかし、どれだけ高い精度の期初計画を策定したとしても、人員は流動的な側面があるため、計画通りの予算で進まないこともあるでしょう。差異が出た際にその原因を把握し、それが何かしらの背景に起因するものなのか、エラーであるならば修正は可能であるかを判断します。そこから経営企画と一緒に改善に取り組み、最終的には経営と事業部に説明できることも、精度が高い理想的な人員計画であると考えています。
村瀬様:雇用形態や等級、部署など、弊社の人員計画はかなり細かく設定しているため、スプレッドシートによる管理に限界を感じていました。スプレッドシートによる管理のメリットは、数式や数字を柔軟に変更でき、事業成長にあわせて変えていけることです。
たとえば、産休・育休による欠員があった部署の人員を調整したり、プロダクト・システムの開発フェーズに応じて社員と業務委託のバランスを変更したりと、時にはセンシティブな事情も汲み取りながら人員計画を進め、仕組み化を試みてきました。事業部側の具体的な現状を把握しながら人員計画と経営企画の仕組み化に向け、脱属人化に取り組んできたのですが、スプレッドシートでは自由度が高すぎるために各部署の数字が頻繁に変わったり、各部署の事情に合わせて数字をどう反映させるのか、個別対応で良いのか、ルール化すべきかなど状況が複雑で仕組み化しきれなかったりと、結局は属人的に対応せざるを得ない状況が続いたのです。その結果、“ひとり人員計画”からは脱することができませんでした。
村瀬様:この3年間ずっと仕組み化には挑戦してきたものの、なかなか実現できない状況が続いていたのですが、私の異動でいよいよ人員計画の業務を後任に引き継いでいかなければならなくなりました。
最初は経営企画の責任者と一緒にルールやフローを決め、次第に現場の管理者にも協力いただけるようになり、事業部側と経営側の双方と丁寧にコミュニケーションを重ねてある程度までは仕組み化を進めてきました。しかしスプレッドシート上で管理された人員計画では、PLや人員計画に書かれている一つひとつの数式や数字について、その背景にある意図や事情までがテキストなどで残されていないため、すべてを後任に引き継ぐことができなかったのです。
人員計画の業務では、高い精度の期初計画を策定することと同じくらい、経営側と事業部側になぜその数字なのかについて意図や背景、計算の根拠となる数字を示しながら説明することが求められます。スプレッドシートでは実際の数字を示し、数字のズレといった事実を示すことはできますが、その数字の内訳をさらに細かくみていくようなドリルダウン分析がしづらいため、要因分析しにくくなっていました。
私がこれまで積み上げてきた人員計画の仕組みを後任が引き継いで理解し、より精度が高い人員計画を実現していくためには、新しい人員計画の仕組みを導入して仕組み化に取り組む必要があると判断しました。
村瀬様:もともと弊社の経営企画では、経営管理クラウド「Loglass 経営管理」を導入し、活用してきました。経営企画の責任者と業務を共にすることが多かったこともあり、経営管理クラウドを開発してきた会社が、どのような視点で人員計画に取り組み、どのようなサービスに落とし込んでいくのだろうという好奇心と、人員計画がPLにどのような影響を与えているのかを可視化してくれるサービスになるのではないかという期待感、この2つがありました。
サービスリリース後に「Loglass 人員計画」をご案内いただいたところ、真っ先に感じたのは、私がこれまでスプレッドシートで構築してきた仕組みに不足していて、次に改善していこうと考えていたコンセプトと「Loglass 人員計画」のコンセプトが一致していたことです。経営リソースである「ヒト・モノ・カネ・情報」のうち、「ヒト」の管理を効率化、高度化して経営戦略に貢献し、利益の向上を狙っていくという「Loglass 人員計画」のコンセプトが、私と経営企画の責任者がこの3年間取り組んできた人員計画における仕組み化の狙いと同じでした。
このことから人員計画の高度化を実現できるのではないか、私が積み上げてきたスプレッドシートによる管理とその考え方をより正確に引き継げるのではないかと考え、「Loglass 人員計画」の導入を進めていくことになりました。
村瀬様:これといって大きなハードルはなかったですね。スプレッドシートでなんとか仕組み化できないかと試行錯誤してきた状況を経営側も理解していたので、話は早かったです。これまでも、仕組み化ができないと属人的な状況は解消できず、経営側から求められる分析や示唆出しのクオリティに応えられなくなってしまうと、経営側には懸念を伝えてきました。
また、これまでの状況に仕組み化に非常に苦労してきた中で、ようやく「これだ」と確信をもって「Loglass 人員計画」の導入を言い切ることができたというのが、何よりも説得材料となり、経営側から導入の合意を得ることができました。
村瀬様:これまで採用責任者を務めてきたメンバーに引き継ぐことになりました。まずは私以外のメンバーが人員計画を作成できるようになること、そして今までの人員計画と同等、あるいはそれ以上の精度を実現すること、この2点を目標に引き継いでいます。
後任が人員計画を作成できるように、「Loglass 人員計画」の設定と業務マニュアルの作成を進めました。引き継ぎがちょうど翌決算期の人員計画を作成しなければならないタイミングだったので、ログラス社のCS担当の方に無理を言って、1ヶ月で初期設定を完了できるよう進めたことを覚えています。社員一人ひとりの雇用形態や等級、所属している部署を登録するマスタの構築から着手し、科目の設定、運用設計までを一通りやりきり、人員計画を作成できるところまで設定を完了させました。
村瀬様:私が人員計画の仕組みを「Loglass 人員計画」内に構築し、後任社員がその仕組みを覚えて「Logass 人員計画」で翌決算期の人員計画を作成するという役割分担をしました。設定を進めながら「この数字とこの数字は、どのようにつながっているのか」など、人員計画の背景にある考え方や意図を説明していきました。その際に意識して伝えていたのが「人員計画はつながっている」ということです。
経営戦略や事業戦略をもとに作られた事業計画に対して、人員計画がどのようにつながっているのか、その仕組みと数字の関係性を紐解いて伝えました。あとは、経営企画や事業部側とのコミュニケーションですね。私が担当していた際、かなり重きを置いていた点なので、そこは意識して伝えるようにしました。
村瀬様:正社員や業務委託など一人ひとり、バイネームで管理する人員マスタの仕組みです。これまではスプレッドシートでなんとか実現できないか試行錯誤していたのが、「Loglass 人員計画」では人件費といった人員のデータを集計することができ、一人ひとりの従業員情報や人月情報、採用の予算、人件費、採用費の実績などをひとつのプラットフォーム上で管理できます。
もうひとつ、後任へ人員計画を引き継ぐ際に便利だと感じたのが、いつどのような変更を加えたのか、履歴を簡単に追える機能です。人員計画の考え方や作成の仕方を伝える際に、過去にどのような操作をしていたのか履歴を確認して把握できるので、数式や数字の裏にある経緯を適切に引き継ぐことができています。
また、プロダクトの機能面だけでなく、ログラス社のCS担当者によるアドバイスもとても助かりました。他社での活用事例だけでなく、会計視点からのアドバイスや経営戦略から人員計画への取り込み方といった上流から下流までのつながりについても有益なアドバイスをいただけて、とても心強かったです。
「Loglass 人員計画」とログラス社によるサポートのおかげで、人月管理と人月からPLへデータを連携していく土台となる各種設定、人員マスタの登録は一段落つき、今後は人員計画の高度化に取り組んでいく予定です。
村瀬様:導入直後から翌決算期の人員計画を作成したり、後任へ引き継ぎながら設定を進めたりと大変でしたが、スプレッドシートよりも効率的に人員計画を作成、運用できる土台を整えられたと感じています。
また、将来的な人員計画とデータ分析の高度化から逆算した設定ができたことも成果として挙げられます。科目を自由に変換したり、任意の分析軸でデータを対比したりと、細かい数字までドリルダウンして深堀りができるように設定しました。経営戦略といった上流では丸めた数字が使われますが、そこから課題や気になることの原因を特定していくには、できるだけ細かく数字を収集しておく必要があります。今回の「Loglass 人員計画」の導入では、細かい粒度まで設定できたので、今後かなり精度の高い分析やそれらをもってしたコミュニケーションが経営側とできるのではと期待しています。
村瀬様:そうですね、無事に引き継ぐことができたと思います。私がスプレッドシートで構築していた仕組みと比べれば、現在の「Loglass 人員計画」による管理のほうがシンプルで楽になっているはずではありますが、そもそも人員計画の業務はなかなか一筋縄ではいかない業務ですので、引き続き経営企画や事業部側の責任者と密にコミュニケーションすることが重要だと思っています。数字とデータを突き詰め、その背景のある意図やつながりを考えながら、経験を積んでいってもらえればと思っています。
村瀬様:まず経営戦略があり、事業計画があり、そして「ヒト」という大事な経営リソースをいかに活用して目標を達成していくのか、その計画を数字に落とし込んだものが人員計画です。働き手不足が深刻化する現代において、より重要度が増していく「ヒト」を戦略的に活用していくためには、人員計画が必要不可欠であると考えています。人事戦略を策定する際の根拠になるだけでなく、実行された人事戦略が正しく機能していたのかを評価するためにも重要です。
今回の取り組みでは、「Loglass 人員計画」を導入しただけでなく、ログラス社の担当の方に支援いただき、導入・活用のさらに先として人員計画の高度化にもお力添えいただいています。今後さらに高度な人員計画の立案・分析を実行していき、新規事業に「ヒト」を戦略的に活用したり、既存の事業をより効率的な人員で運営したりと、数字にはなかなか現れない要素にまで目を向け、改善していきたいと考えています。
村瀬様:人事で人員計画に携わっている方とは「大変な仕事ですよね」と苦労を分かち合いたいですね。ボトムアップで人月を積み上げていく方式や、PLから逆算して予算内に納めていく方式など、事業モデルや企業規模などによって、各社の人員計画は考え方が全く異なると思います。人員計画の悩みはなかなか他社には相談しにくく、自社にとって役立つアドバイスがもらえるケースは少ないのではないでしょうか。
私がこれまでずっと一人で大変だったように、苦労しながら人員計画の業務に取り組み、なんとか仕組み化できないかと模索している方は多いはずです。まずは人員計画の悩みだけでも、ログラス社に相談してみてほしいなと思います。
村瀬様:弊社の事業は「ecforce」によるSaaS事業が収益の大半を占めています。もともとはECのカートシステムから始まり、現在はコマースDXを実現するための統合コマースプラットフォームとして、カートシステムのみならずデータ利活用のためのソリューションやOMO施策を実現するためのソリューションの提供など、さまざまなプロダクトを提供していることが特徴です。
収益構造については、一般的なSaaS事業と同じくエンジニアやセールスといった人件費がコストの大部分であることから、経営管理の視点から人員計画は特に重要な要素であると言えます。人員計画を最適化し、精度を高めて高度化していくことは、さらなるサービス・プロダクトの展開や事業成長において欠かすことができません。
そのため、直近の3年間は経営企画の責任者と二人三脚で人員計画に取り組み、コストと時間をかけて適切な予実管理の実現に向けて取り組んできました。当時の私は人事担当部門に所属しており、具体的な業務として、事業部側と調整しながら全体の人月やリソース配分を調整していました。また、積み上がったコストがPL上でどのようなバランスになっているのかを経営企画と判断し、コスト構造が適切になるよう管理していくという「事業部と経営を橋渡しする役割」を担っていました。
村瀬様:月ごとに雇用形態、等級、部署といった要素を加味して人員計画を策定しています。弊社の場合、エンジニアで業務委託の割合が一定数あるため、開発の現場から最新の情報を常にキャッチアップし、スプレッドシート上でその割合を管理する仕組みを整えるのに苦戦していました。
苦戦していた背景のひとつとして、グレードの細かな管理があります。当初、社員は6つのグレードに分かれている一方、業務委託の方はひとつの等級しか設定されていませんでした。しかし現在では、ご依頼している業務内容に対する単価に対応した4つのグレードが設けられており、社員・業務委託あわせて10パターンに振り分けられている状態です。この細かいグレードの管理を部署ごとに行っているため、人員計画の複雑さにつながっていました。
村瀬様:まずポイントとなるのは、事業部の事情や採用活動の成否といった情報をリアルタイムで把握し、現場の実態に即した人月の全体像を描くことです。そのためには現場の変化を追いかけ、情報を適切にキャッチアップする必要があります。これを行うことで、どの部署に、どのくらいの人月が必要であるかを適切に判断し、より精度が高い期初計画を策定することができます。
しかし、どれだけ高い精度の期初計画を策定したとしても、人員は流動的な側面があるため、計画通りの予算で進まないこともあるでしょう。差異が出た際にその原因を把握し、それが何かしらの背景に起因するものなのか、エラーであるならば修正は可能であるかを判断します。そこから経営企画と一緒に改善に取り組み、最終的には経営と事業部に説明できることも、精度が高い理想的な人員計画であると考えています。
村瀬様:雇用形態や等級、部署など、弊社の人員計画はかなり細かく設定しているため、スプレッドシートによる管理に限界を感じていました。スプレッドシートによる管理のメリットは、数式や数字を柔軟に変更でき、事業成長にあわせて変えていけることです。
たとえば、産休・育休による欠員があった部署の人員を調整したり、プロダクト・システムの開発フェーズに応じて社員と業務委託のバランスを変更したりと、時にはセンシティブな事情も汲み取りながら人員計画を進め、仕組み化を試みてきました。事業部側の具体的な現状を把握しながら人員計画と経営企画の仕組み化に向け、脱属人化に取り組んできたのですが、スプレッドシートでは自由度が高すぎるために各部署の数字が頻繁に変わったり、各部署の事情に合わせて数字をどう反映させるのか、個別対応で良いのか、ルール化すべきかなど状況が複雑で仕組み化しきれなかったりと、結局は属人的に対応せざるを得ない状況が続いたのです。その結果、“ひとり人員計画”からは脱することができませんでした。
村瀬様:この3年間ずっと仕組み化には挑戦してきたものの、なかなか実現できない状況が続いていたのですが、私の異動でいよいよ人員計画の業務を後任に引き継いでいかなければならなくなりました。
最初は経営企画の責任者と一緒にルールやフローを決め、次第に現場の管理者にも協力いただけるようになり、事業部側と経営側の双方と丁寧にコミュニケーションを重ねてある程度までは仕組み化を進めてきました。しかしスプレッドシート上で管理された人員計画では、PLや人員計画に書かれている一つひとつの数式や数字について、その背景にある意図や事情までがテキストなどで残されていないため、すべてを後任に引き継ぐことができなかったのです。
人員計画の業務では、高い精度の期初計画を策定することと同じくらい、経営側と事業部側になぜその数字なのかについて意図や背景、計算の根拠となる数字を示しながら説明することが求められます。スプレッドシートでは実際の数字を示し、数字のズレといった事実を示すことはできますが、その数字の内訳をさらに細かくみていくようなドリルダウン分析がしづらいため、要因分析しにくくなっていました。
私がこれまで積み上げてきた人員計画の仕組みを後任が引き継いで理解し、より精度が高い人員計画を実現していくためには、新しい人員計画の仕組みを導入して仕組み化に取り組む必要があると判断しました。
村瀬様:もともと弊社の経営企画では、経営管理クラウド「Loglass 経営管理」を導入し、活用してきました。経営企画の責任者と業務を共にすることが多かったこともあり、経営管理クラウドを開発してきた会社が、どのような視点で人員計画に取り組み、どのようなサービスに落とし込んでいくのだろうという好奇心と、人員計画がPLにどのような影響を与えているのかを可視化してくれるサービスになるのではないかという期待感、この2つがありました。
サービスリリース後に「Loglass 人員計画」をご案内いただいたところ、真っ先に感じたのは、私がこれまでスプレッドシートで構築してきた仕組みに不足していて、次に改善していこうと考えていたコンセプトと「Loglass 人員計画」のコンセプトが一致していたことです。経営リソースである「ヒト・モノ・カネ・情報」のうち、「ヒト」の管理を効率化、高度化して経営戦略に貢献し、利益の向上を狙っていくという「Loglass 人員計画」のコンセプトが、私と経営企画の責任者がこの3年間取り組んできた人員計画における仕組み化の狙いと同じでした。
このことから人員計画の高度化を実現できるのではないか、私が積み上げてきたスプレッドシートによる管理とその考え方をより正確に引き継げるのではないかと考え、「Loglass 人員計画」の導入を進めていくことになりました。
村瀬様:これといって大きなハードルはなかったですね。スプレッドシートでなんとか仕組み化できないかと試行錯誤してきた状況を経営側も理解していたので、話は早かったです。これまでも、仕組み化ができないと属人的な状況は解消できず、経営側から求められる分析や示唆出しのクオリティに応えられなくなってしまうと、経営側には懸念を伝えてきました。
また、これまでの状況に仕組み化に非常に苦労してきた中で、ようやく「これだ」と確信をもって「Loglass 人員計画」の導入を言い切ることができたというのが、何よりも説得材料となり、経営側から導入の合意を得ることができました。
村瀬様:これまで採用責任者を務めてきたメンバーに引き継ぐことになりました。まずは私以外のメンバーが人員計画を作成できるようになること、そして今までの人員計画と同等、あるいはそれ以上の精度を実現すること、この2点を目標に引き継いでいます。
後任が人員計画を作成できるように、「Loglass 人員計画」の設定と業務マニュアルの作成を進めました。引き継ぎがちょうど翌決算期の人員計画を作成しなければならないタイミングだったので、ログラス社のCS担当の方に無理を言って、1ヶ月で初期設定を完了できるよう進めたことを覚えています。社員一人ひとりの雇用形態や等級、所属している部署を登録するマスタの構築から着手し、科目の設定、運用設計までを一通りやりきり、人員計画を作成できるところまで設定を完了させました。
村瀬様:私が人員計画の仕組みを「Loglass 人員計画」内に構築し、後任社員がその仕組みを覚えて「Logass 人員計画」で翌決算期の人員計画を作成するという役割分担をしました。設定を進めながら「この数字とこの数字は、どのようにつながっているのか」など、人員計画の背景にある考え方や意図を説明していきました。その際に意識して伝えていたのが「人員計画はつながっている」ということです。
経営戦略や事業戦略をもとに作られた事業計画に対して、人員計画がどのようにつながっているのか、その仕組みと数字の関係性を紐解いて伝えました。あとは、経営企画や事業部側とのコミュニケーションですね。私が担当していた際、かなり重きを置いていた点なので、そこは意識して伝えるようにしました。
村瀬様:正社員や業務委託など一人ひとり、バイネームで管理する人員マスタの仕組みです。これまではスプレッドシートでなんとか実現できないか試行錯誤していたのが、「Loglass 人員計画」では人件費といった人員のデータを集計することができ、一人ひとりの従業員情報や人月情報、採用の予算、人件費、採用費の実績などをひとつのプラットフォーム上で管理できます。
もうひとつ、後任へ人員計画を引き継ぐ際に便利だと感じたのが、いつどのような変更を加えたのか、履歴を簡単に追える機能です。人員計画の考え方や作成の仕方を伝える際に、過去にどのような操作をしていたのか履歴を確認して把握できるので、数式や数字の裏にある経緯を適切に引き継ぐことができています。
また、プロダクトの機能面だけでなく、ログラス社のCS担当者によるアドバイスもとても助かりました。他社での活用事例だけでなく、会計視点からのアドバイスや経営戦略から人員計画への取り込み方といった上流から下流までのつながりについても有益なアドバイスをいただけて、とても心強かったです。
「Loglass 人員計画」とログラス社によるサポートのおかげで、人月管理と人月からPLへデータを連携していく土台となる各種設定、人員マスタの登録は一段落つき、今後は人員計画の高度化に取り組んでいく予定です。
村瀬様:導入直後から翌決算期の人員計画を作成したり、後任へ引き継ぎながら設定を進めたりと大変でしたが、スプレッドシートよりも効率的に人員計画を作成、運用できる土台を整えられたと感じています。
また、将来的な人員計画とデータ分析の高度化から逆算した設定ができたことも成果として挙げられます。科目を自由に変換したり、任意の分析軸でデータを対比したりと、細かい数字までドリルダウンして深堀りができるように設定しました。経営戦略といった上流では丸めた数字が使われますが、そこから課題や気になることの原因を特定していくには、できるだけ細かく数字を収集しておく必要があります。今回の「Loglass 人員計画」の導入では、細かい粒度まで設定できたので、今後かなり精度の高い分析やそれらをもってしたコミュニケーションが経営側とできるのではと期待しています。
村瀬様:そうですね、無事に引き継ぐことができたと思います。私がスプレッドシートで構築していた仕組みと比べれば、現在の「Loglass 人員計画」による管理のほうがシンプルで楽になっているはずではありますが、そもそも人員計画の業務はなかなか一筋縄ではいかない業務ですので、引き続き経営企画や事業部側の責任者と密にコミュニケーションすることが重要だと思っています。数字とデータを突き詰め、その背景のある意図やつながりを考えながら、経験を積んでいってもらえればと思っています。
村瀬様:まず経営戦略があり、事業計画があり、そして「ヒト」という大事な経営リソースをいかに活用して目標を達成していくのか、その計画を数字に落とし込んだものが人員計画です。働き手不足が深刻化する現代において、より重要度が増していく「ヒト」を戦略的に活用していくためには、人員計画が必要不可欠であると考えています。人事戦略を策定する際の根拠になるだけでなく、実行された人事戦略が正しく機能していたのかを評価するためにも重要です。
今回の取り組みでは、「Loglass 人員計画」を導入しただけでなく、ログラス社の担当の方に支援いただき、導入・活用のさらに先として人員計画の高度化にもお力添えいただいています。今後さらに高度な人員計画の立案・分析を実行していき、新規事業に「ヒト」を戦略的に活用したり、既存の事業をより効率的な人員で運営したりと、数字にはなかなか現れない要素にまで目を向け、改善していきたいと考えています。
村瀬様:人事で人員計画に携わっている方とは「大変な仕事ですよね」と苦労を分かち合いたいですね。ボトムアップで人月を積み上げていく方式や、PLから逆算して予算内に納めていく方式など、事業モデルや企業規模などによって、各社の人員計画は考え方が全く異なると思います。人員計画の悩みはなかなか他社には相談しにくく、自社にとって役立つアドバイスがもらえるケースは少ないのではないでしょうか。
私がこれまでずっと一人で大変だったように、苦労しながら人員計画の業務に取り組み、なんとか仕組み化できないかと模索している方は多いはずです。まずは人員計画の悩みだけでも、ログラス社に相談してみてほしいなと思います。